高速・大量の交通機関である鉄道は、ひとたび大事故が発生すると大きな被害が生じ、大きな社会問題となります。しばしば報道される踏切事故やホーム転落事故などに見られるように、鉄道交通における安全・安心の確保が急務となっています。安全な列車運行や乗客の安全を確保するためには、線路内の障害物を事前に検知し、障害物との衝突を防いだり、ホーム転落の防止や検知のための研究開発を進める必要があります。このためには、以下に示すような鉄道安全監視システムが有効であると考えられます。
これらの鉄道安全監視システムを開発するためには、数100m遠方の状況を検知する技術が必要となります。さらに雨や雪などの影響を受けにくい全天候性であることと、実時間性を備えることが求められます。従ってセンサは、長い検知距離と、遠方においても縦横に高い分解能を有することが重要となります。
平成21年から24年にかけて、全天候性を備え縦方向の分解能の高い超分解能レーダと、横方向の分解能が高い光学センサの画像認識、およびそれらのデータ融合に関する基盤技術の研究開発を鉄道総合研究所と共同で実施しました。特に稲葉研究室では、高分解能と遠距離探知能力という原理的に相反する性能の双方を備えることを可能とする独自の「狭帯域で高分解能な計測変復調方式」、および「デジタルアンテナ技術」の研究開発を実施しました。
平成24年9月27日付けの交通新聞に記事が掲載されました。
サイバネティクス(Vol. 19-No. 1. 2014)に記事が掲載されました。
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