現在、地上デジタル放送や、ADSLなど、通信・放送分野において、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing: 直交周波数分割多重)方式が多く採用されている。OFDM方式の特徴として、周波数帯域幅の効率的利用があげられる。レーダにおいて、周波数帯域幅は距離分解能に関係する。そのため、OFDM方式をレーダに応用し、周波数帯域幅を効率的に利用することにより、距離分解能の向上が望めることが考えられる。 本方式においては、一般的な位相変調レーダ波とは異なり時間軸上のみならず直交周波数上に位相符号を配置するレーダ波を使用する。 現在、レーダ波へOFDM方式を適用した実験的検証より、距離分解能が、20%向上した結果が得られている。
上図右の一般的な位相変調レーダ波とは異なり、OFDM方式を応用した本方式においては、周波数軸上にも信号を配置する。
生成したベースバンド信号に対し一般的なパルス圧縮レーダと同じ信号処理を行う、
パルス圧縮結果のピークより-3[dB]の地点において、他の位相変調レーダ波と比較して距離分解能が20%の向上を確認した。